海外生活で最も不安な要素の一つ、高額な医療費。
今回は、外国での治療費を海外旅行保険のキャッシュレス診療(メディカルサービス)でカバーするためのクレジットカードについて解説します
クレジットカード付帯保険のキャッシュレス診療の概要
海外旅行保険に加入するには、一般的に次の2つの方法があります。
・単体の海外旅行保険に入る(AIU保険や三井住友海上など)
・海外旅行保険付帯のクレジットカードを持つ
クレジットカード付帯保険に自己負担ゼロで海外キャッシュレス診療が適用となるカードが存在します。
保険会社の海外旅行保険は殆ど全てがキャッシュレス診療に対応可能ですが、クレジットカード付帯保険の場合、そもそも実用レベルの十分な保証・保険が付いているのは一部のカードだけであり、中でも自動付帯のキャッシュレス診療に対応しているクレジットカードは多くありません。
ですので、無条件で適用される自動付帯のものを選びましょう。
クレジットカード付帯保険の注意点
①補償期間
クレジットカードの海外旅行保険が適用になる期間は出国から90日です。保険会社の海外旅行保険は、日数を選択でき日数によって保険料金が変更します。旅行、出張、短期留学など90日以内に一旦日本へ戻ってくる場合は、その都度クレジットカード付帯保険が有効となります。91日間以上の旅行はクレジットカードの海外旅行保険とは別に、海外旅行保険に入るのが安心です。
②補償対象範囲
クレジットカード付帯保険は疾病死亡に対応していません。病気を患った状態で海外旅行へ行かない事が前提とされており下記ケースは対象外です。
- 妊娠・出産・流産による医療処置やこれらに起因する疾病
- 歯科疾病
- 無免許・酒酔いなどの運転によるケガ
- ケンカ・犯罪行為によるケガ
- 戦争・暴動などの変乱・放射線照射・放射能汚染によるケガや病気
③自動付帯と利用付帯
クレジットカード付帯の海外旅行保険には自動付帯と利用付帯いう2種類があります。自動付帯とは、クレジットカードを持って海外に行くだけで、自動的に海外旅行保険が利用可能なクレジットカードです。一方で、利用付帯のクレジットカードは、特定条件を全て満たさないと海外旅行保険を使えません。
キャッシュレス診療の”正しい”使い方
クレジットカードのキャッシュレスメディカルサービスの殆どは、海外旅行保険の周辺サービスを総合的に提供する海外アシスタンスサービスの一つとして提供されています。
医療費キャッシュレスサービスが受けられるだけでなく、何らかの保険事故が生じた際に日本語で極めの細かいサポートを受けることが可能です。具体的には、医療費キャッシュレスサービスのほか、現地医療機関や日本人医師紹介、外国人医師との通訳サポート、救援者の渡航手配や医療機関への移送サービスなど。こうしたサービスを海外旅行保険の保険金の範囲内で行ってくれるのが海外アシスタンスサービスなのです。
日系病院・クリニックや、外国人向け病院であれば提携している可能性が非常に高いですが、地元ローカル病院だと提携していない場合が多いです。提携病院じゃない場合は、キャッシュレスサービスに対応してくれず、結局現金やカードで支払うことになります。
キャッシュレス診療を受ける手順
- 海外で体調が悪くなる、何らかの外傷をおう
- クレジットカード(引受保険会社)のサポートデスクに電話をする
- 引受保険会社のサポートデスクが、カード会社にカード会員であることを確認する
- 引受保険会社のサポートデスクが、現地の代理人(エージェント)経由で現地提携病院に予約を入れる
- 予約完了の電話が利用者の元に届き、指定病院へ行き受診する
- 引受保険会社が提携病院に支払いをする
キャッシュレス診療に必要な書類
- パスポート
- クレジットカード
- カード利用明細(利用付帯のカードに限り必要)
キャッシュレス診療対応カードの”賢い”選び方
クレジットカード付帯保険にもキャッシュレス診療が適用となるカードがいくつか存在します。
①実用的な保険補償額
傷害治療費用(1事故の限度額)、疾病治療費用(1疾病の限度額)が重視されるべきポイントです。一般的には、旅行傷害保険は年会費が高いゴールドカード以上で高額補償が提供されています。
②自動付帯
カードを携帯しているだけで、無条件で保険適用されることを自動付帯と呼びます。渡航した瞬間に自動適用されますの安心です。
③キャッシュレス診察
「キャッシュレス診察」とは海外でケガや病気をした時に、現金を払わなくても診察・治療が受けることが可能です。キャッシュレスではない場合は、いったん自分でおカネを立て替えて、日本に帰ってから返金請求をしないといけません。
④複数カード持ちで保証額合算(上乗せ)
1枚のカードでは補償金額が不十分で、海外での治療費を100%カバー出来ない可能性があります。しかし、複数のクレジットカードを所持していると、死亡・後遺障害補償”以外”の補償額は、加入している全ての補償が合算して支払われます。
特選!おすすめクレジットカード
自動付帯のおすすめカードを紹介します。
①エポスカード
エポスカードは、年会費永久無料、海外旅行保険自動付帯、キャッシュレス診療と3拍子揃ったコスパ最強のカードです。海外旅行保険で重要な傷害・疾病補償額は、年会費無料のカードに付帯する海外旅行としては、最高クラスで充実している為、海外旅行用の保険強化のサブカードとして理想的です。24時間日本語で対応してくれる緊急医療アシスタンスサービスは心強いです。即日発行にも対応。
一方、家族特約はありません。
補償内容 | 補償金額 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 500万円 |
傷害治療費用 | 200万円 |
疾病治療費用 | 270万円 |
救援者費用 | 100万円 |
賠償責任 | 2,000万円 |
携行品損害 | 20万円 |
②セゾンゴールド・アメックス
セゾンゴールド・アメックスカードは、海外に同行する家族も自動付帯で充実した補償額のキャッシュレス診療が受けられる家族旅行に最適のカードです。家族特約が一番の魅力で、補償額が会員本人と変わらない稀有な特徴を持っています。
年会費は初年度無料、次年度以降1万円(税別)とリーズナブルです。また、空港ラウンジが利用きるプライオリティパスの無料発行、手荷物無料宅配サービス、ショッピング保険なども魅力です。加えて、世界中のレストランで優待特典を受けられるAmerican Express Invitesも利用可能。カード発行も最短3営業日と早いです。
一方、国内旅行傷害保険は利用付帯です。
補償項目 | 本会員 | 家族特約 |
---|---|---|
死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 1,000万円 |
傷害治療 | 300万円 | 300万円 |
疾病治療費 | 300万円 | 300万円 |
賠償責任 | 3,000万円 | 3,000万円 |
携行品損害 | 30万円 | 30万円 |
救援者費用 | 200万円 | 200万円 |
航空機寄託手荷物遅延費用 | 10万円 | 10万円 |
航空機遅延費用等 | 3万円 | 3万円 |