ベトナムでの居住登録の概要
ベトナム社会主義共和国では、旅行者を含め居住地を管轄する公安局に居住（宿泊・滞在）登録を行う必要があります。居住（宿泊）先がアパート・ホテル等であれば、その管理者が自動的に登録を行いますが、独立家屋に居住する場合は、個別に登録する必要があります。登録の際はパスポートの提示が必要となります。
通常は仲介した不動産エージェントが無料代行して登録を行うのが一般的です。日本の仲介業者ならまず安心です。しかし、ベトナム人エージェントの場合はやらないこともあるので注意して下さい。
居住登録が必要な理由
1. ワークパミット・レジデンスカード取得
ベトナムで労働許可証（ワークパミット）を取得する場合、正式に滞在している居住証明書を使って無犯罪証明書を取得します。また、短期滞在証明（レジデンスカード）を取得する場合も、この居住証明書が必要です。
万が一、貸家営業ライセンスを持っていない闇オーナー物件を借りてしまうと、当然ながら公安で居住証明書が取れず、その結果ワークパーミットを取得できない憂き目合います。
駐在員の方が選ぶようなハイエンド物件や外国人居住エリアの物件の場合は、心配は要りません。現地採用や事業主の方で、家賃を抑える為にローカルの怪しい格安物件を選ぶ場合は、注意が必要です。ベトナムで経営者や駐在員は毎月の家賃を会社経費扱いにする為に公式領収書（レッドインボイス）を取得しますが、それを拒まれる場合も要注意です。事業免許が無いとTAX番号が無く、レッドインボイスを発行できません。
余談ですが、外国人がベトナムで購入した不動産を賃貸に出す場合は住宅管理機関へ通知し、ライセンスを取得します。
２. 公安警察のチェック・賄賂
ベトナムでは不定期で公安警察が見回りに来ます。特に、外国人が住むような物件は賄賂目当てにターゲットにされ易いです。もし、この台帳に名前が記載されていない場合は住所不定の外国人と同じ扱いとなります。逮捕されるような大事にではないのですが、賄賂を支払う必要があります。
エリアによって異なりますが、日本人も多く住むホーチミン市の7区フーミーフンの場合ですと、4Milli VND（2万円）〜10Milli VND（5万円）程度のの賄賂を請求されるのが一般的です。一度、公安に目をつけられてしまうと、以降も賄賂欲しさにカモにされますので注意しましょう。
3. 特別なケース
銀行、証券会社、投資ファンドなどの特定の金融商品購入の際に、ベトナム現地に住所があることを公式に証明する必要がある場合もあります。例えば、現地の生命保険の加入などです。
居住登録に必要な持ち物
1. パスポート
出入国履歴を確認されますので、最新の入国スタンプの箇所が大切です。滞在期間を更新する度に、公安局へ行き台帳の更新が必要です。初回は問題無いのですが、次回の更新日と最新入国日に大幅な乖離（1週間以上）があると、賄賂を支払う必要があります。
2. ビザ・レジデンスカード
旅行者では無い、就労やロングステイで長期滞在している人はビザやレジデンスカードを持って行きます。記載されている有効期間内での滞在証明が取れるメリットがあります。
レジデンスカード（短期滞在証明）
ビザ
3. 居住証明の台帳（通称ピンクブック）
ベトナムの賃貸マンション、物件オーナーは貸家営業ライセンスを取得し居住証明書台帳を持っている必要があります。台帳はオーナー本人または仲介不動産会社が管理している場合もあります。
台帳の原本
台帳の登録ページ
4. 服装（短パンNG）
ベトナムの公的機関では、短パンやサンダルなど軽装での出入りは禁じられています。外国人なので注意されるだけですみ場合もありますが、入室を拒まれるケースもあります。
居住登録のながれ・方法
STEP1. 管轄する公安局へ行く
まずは自分が住んでいる管轄の公安局へ行きます。
7区フーミーフンのタンフォン公安局
一般的には物件オーナーやエージェントが代行したり同行してくれます。公安局は英語は通じない場合が多いので、個人で行く場合はベトナム人を同行しないと手続きは難しいです。
公安局内部の様子
台帳に名前を書いて右下にサインします。公安局のスタンプを押してもらえれば完了です。
サインしスタンプが押された台帳
