ホーチミン市の概要
ダイナミックに変わりゆくベトナム最先端の都市。南部経済の中心。
ベトナム社会主義共和国のホーチミン市(HoChiMinh City)は、経済、文化、教育、科学技術活動の中心を成す特別大都市です。南部経済地域の中心であり、世界経済とのかけ橋だけではなく、東南アジア各国を繋ぐ政治的にも重要都市でもあります。
同国では首都ハノイと並ぶ大都市ですが、政治的影響力も強く保守的な雰囲気の北部の首都ハノイに対して、オープンな雰囲気で最先端、商業的な南部の経済都市ホーチミンと大きな違いがあります。
ホーチミン市の面積は2095平方キロメートル(ベトナムの0.63%の広さ)で、東京都と殆ど同じ大きさです。2021年の都市人口は約900万人(人口の10%)を占めており、首都ハノイを凌いで全国で最も人口が多い市です。また、1平方メートルあたりの人口密度は4,400人(2019年)と世界有数です。ここ数年、同市の人口は毎年+20万~40万人のペースで増加しており、中でも他地域からの転入が多いです。
現在、ホーチミン市は国内総生産の21.3%、国の歳入の31.7%、輸出の21.7%を占めています。ベトナムの観光客の内の50%以上がホーチミン市を訪れます。そして外国直接投資金額の25.3%を受けています。
ホーチミンは「市」のカテゴリーに属しますが、ハノイ、ダナン、ハイフォン、カントーと並んで5大政府直轄都市(政府の管轄を直接受ける都市)の一つで、日本の都道府県や米国の州と同格の都市です。
日本と同じく行政区画が設定され、19の市街地区と5つの郊外県の合計24に区分されています。19の区は市街化されており、1区から12区までは数字の区番号が付与されています。残りの7つ区はビンタインやゴーヴァップなどの地名がついた区名となっています。そして、郊外の県は多数の村や町から成り立っており、農業が盛んです。
2020年12月よりトゥドゥック区、2区、9区が合併してトゥドゥック市(イノベーションシティ「東部都市」)が設立され、人口は100万人超の巨大都市が誕生しました。これにより、ホーチミン市は16区、新都市1市、郊外県5県の構成となります。
ホーチミン市の行政区分(2020年)
市街地区19 |
1区 | 2区 | 3区 | 4区 | 5区 | 6区 |
7区 | 8区 | 9区 | 10区 | 11区 | 12区 | |
ビンタイン区 | ビンタン区 | ゴーヴァップ区 | タンビン区 | タンフー区 | フーニャン区 | |
郊外県5 | ニャベ県 | カンゾ県 | クチ県 | ホクモン県 | ビンチャイン県 |
データ
-面積:2,095km²
-構成:19区の区+周辺の5県
-人口:約870万人(2018年)
1区
1区は観光・商業の中心地です。有名なドンコイ通り、レタントン通り、グエンフエ通り周辺には統治時代からの歴史的建造物、ホテル、飲食店、オフィスビルが立ち並びます。3区と共に行政の役割も担います。
- 面積:7.73km²
- 人口:20万人
注目エリア「レタントン(Le Than Tonh)通り」
レタントン通りは、サイゴン川沿いを走るトンドゥックタン通り交差点からベンタイン市場まで続く、1区を代表的する大通りです。日本人向けのカラオケやスナックが営業しており、在住日本人や観光客で賑わう日本人街があります。特にヘムと呼ばれる小路地の中は、飲食店、マッサージ、バー、アパートが混在し、カオスな雰囲気が漂います。
2区
2区は、元々軍エリアで開発が遅れていた最貧地区だったのが、海外からの投資を受け再開発が進められている広範なエリアです。地下鉄道メトロ1号線(1区→ビンタン区→2区→9区と走る)の沿線沿いは、特に開発が進んでいます。
- 面積:49.7km²
- 人口:14万人
注目エリア「タオディエン(Thao Dien)」
タオディエン地区は、ホーチミン市2区東北部に位置する西洋の雰囲気が漂う高級住宅街です。西洋人が多く居住しているエリアで、欧米系インターナショナルスクールが多く、お洒落なショップが集まり、豪華なヴィラが立ち並ぶ、洗練された雰囲気の街です。
注目エリア「アンフー(An Phu)」
アンフー地区は、ホーチミン市2区東北部の住宅エリアで、ハノイハイウェイを挟んで高級住宅街タオディエンと接しています。10年前は未開の地域でしたが、現在建設中のメトロ鉄道1号線が走るハイウェイ沿いに大開発が進み、コンドミニアムが増えて生活環境が少しずつ整いつつあります。
注目エリア「トゥーティエム(Thu Thiem)新都心」
トゥーティエムは、ホーチミン市2区東南のサイゴン川に面した半島部分で、最先端インフラ、商業、住宅、公共施設を備えた新都心エリアです。1区に並ぶ新たな経済中心部として財政・貿易を担う、上海や深圳市などの世界的都市を目指しています。将来、1区へ向けての歩道がかかり、簡単に行き来できる様になります。
3区
3区は、ホーチミン市の1区と共に市街中心であり、行政機関や各国の大使館、領事館が多くある、古き良きサイゴンの風景を残す区です。1区にほど近いエリアには高層商業ビル、外資系ホテル、高級レジデンスなどが集まっていますが、郊外はベトナムらしさが残る街が多いです。日本国総領事館もあります。
- 面積:4.92km²
- 人口:19万人
4区
4区は、ホーチミン市のサイゴン川とベンニャ川に囲まれた三角州エリアで旧サイゴン港があった交易要所です。1区のビジネス街と川を挟んで隣接しており、同市で最もコンパクトな区です。嘗てはマフィアが取り仕切る治安の悪い場所として有名でしたが、近年は川沿いを中心に開発が進んでいます。
- 面積:4.18km²
- 人口:19万人
注目エリア「ベンバンドン(Ben Van Don)通り」
ベンバンドンは、ホーチミン市4区の景観が美しいリバーサイドゾーンで、経済の中心1区金融街に川を隔てて隣接します。近年、地場大手ディベロッパーのノバランド(NOVALAND)社が精力的にコンドミニアムを開発し、ハイエンドエリアに生まれ変わりつつあります。ビテクスコタワーを望むリバービューと通勤アクセスが魅力で、外国人も多く暮らします。
5区
5区は、ホーチミン市の南西に位置する中国人(主に福建省出身)が集まって形成された地区で、50万人の華僑が暮らす一大中華街チョロンがある区として知られています。
- 面積:4.27km²
- 人口:17万人
注目エリア「中華街チョロン(Cho Lon)」
チョロンは、ホーチミン市5区を中心として6区、10区、11区に跨るベトナム最大の中華街(チャイナタウン)です。ベトナム全土の華僑、華人の60~80%が居住しており、その数は50万人以上です。古き良き東南アジアの雰囲気が漂っており、繁華街として飲食店をはじめとする華僑の店舗が並びます。
6区
華僑が多く暮らしており、5区と並んで中華街チョロンを形成する区です。チョロンのベッドタウンとしての役割を果たしています。
- 面積:7.19km²
- 人口:26万人
7区
7区は中心街1区から南方に4区を橋を越えて下った広範囲な区で、高級住宅地からスラム街まで存在します。
- 面積:35.69km²
- 人口:31万人
注目エリア「フーミーフン(Phu My Hung)新都市」
フーミーフンは、ホーチミン市南方の7区に位置する、台湾系ディベロッパーのフーミーフン社によって開発された緑豊かなニュータウンです。有数の高級エリアとして有名で、ベトナム人富裕層とアジア系外国人が多く居住しています。ホーチミン市日本人学校を始めとしたインターナショナルスクールが多くあるので、駐在員家族が多く暮らします。コリアンタウンとしても有名。郊外圏のニャベ県やロンアン省に隣接。
8区
- 面積:19.18km²
- 人口:43万人
9区
9区は、郊外に位置するハイテク工業団地、貨物物拠点が多い区です。地場最大手ディベロッパーのビングループ(Vingroup)が1区の衛星都市として大型プロジェクト「VinCity」を開発中で、今後大きな発展が確実視されるエリアです。
- 面積:114km²
- 人口:28万人
10区
- 面積:5.72km²
- 人口:24万人
ビンタン区
ビンタン(ビンタイン)区は、ホーチミン市1区と2区に隣接するベットタウンです。近年大型コンドミニアムの開発が進むアーバンエリアです。
- 面積:20.76km²
- 人口:49万人
注目エリア「ファンビッチャン(Pham Viet Chanh)通り」
ファンビッチャンは、ビンタン区の中でも1区レタントン通りにほど近い小さな下町です。居酒屋や和食などの日本食料理店の出店が加速し、今や日本人向けのサービスアパートメントが立ち並ぶ第2の日本人街と呼ばれています。
ゴーヴァップ区
- 面積:19.74km²
- 人口:62万人
タンビン区
タンビン区は、タンソンニャット国際空港がある区です。外国人が少ないローカル住宅街ですが、南北統一後に北部出身者や地方出身者の中で成功した人が豊かなベトナム人が一部住んでおり、高級邸宅も多くあります。7区のフーミーフンに次ぐコリアンタウンがあります。
- 面積:22.38 3km²
- 人口:45万人
フーニャン区
フーニャン区は、ホーチミン市中心街1区に隣接する空港に程近い区で、ヴィラ風邸宅や高級マンション、インターナショナルスクールなどが並ぶ”準”高級住宅エリアと、昔ながらの景観を残すローカルエリアが混在しています。
- 面積:4.88km²
- 人口:18万人
トゥドゥック区
トゥドゥック区は、ホーチミン市街の北に位置するアーバンエリアで、2区、9区、ビンズオン省と隣接しています。ホーチミン市工科大学・ホーチミン市国際大学といった名門国家大学の移転が加速しており、合計10以上の大学をはじめとした高等教育機関が集中する学生数が多い学園都市です。
- 面積:47.76km²
- 人口:52万人
ニャベ県
ニャベ県は南方7区フーミーフンに隣接する郊外県の一つです。
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